artscapeレビュー
和田真由子「ドローイングの絵」
2011年10月01日号
会期:2011/09/10~2011/10/15
児玉画廊|京都[京都府]
最近、児玉画廊が熱心にプッシュしている新進作家の和田真由子。私も過去に何度か彼女の作品を見たことがあるが、頭のなかが疑問符で溢れるばかりだった。しかし、本展で「イメージにボディを与える」というキーワードを得て、微妙な厚みを持って平面と立体の間を彷徨う彼女独特の世界観にようやく近づけた気がする。なるほどこの人がやろうとしていることは興味深い。そして、一見粗雑にしか見えない作品の外観も、コンセプトを明瞭にするために必要だったことがわかった。今さらながら自分の作品理解力の低さを嘆きつつ、やっとしっぽを掴んだ新進作家の世界を、これからも注視していこうと思う。
2011/09/10(土)(小吹隆文)