artscapeレビュー
加賀城健 展
2011年10月01日号
会期:2011/09/13~2011/09/25
ギャラリー揺[京都府]
染色工芸では失敗とされるブレやボケをあえて生かしたり、ドローイング、ペインティング、コラージュといった技法を大胆に導入して独自の染色作品を模索している加賀城健。今回は市販のテントを流用し、新たに張った布地にペインティングの要領で染めを施した作品と、伸子張りの情景からインスパイアされた作品を発表。どちらもピンと張った布地の美しさを強調した表現で、どれほど作品がアート寄りになっても、彼の出自が染色だと分かる内容となっている。また、加賀城とテントの関係は、彼が子どもの頃に景品で当たったテントを室内に張って遊んでいたことに由来するそうで、個人的な記憶をダイレクトに反映した作品を出品したのも本展の特徴である。
2011/09/13(火)(小吹隆文)