artscapeレビュー
印象とアンフォルメル・具体・墨象──戦後の前衛
2011年10月01日号
会期:2011/08/12~2011/10/23
京都府立堂本印象美術館[京都府]
抽象を取り入れた新しい日本画制作に挑んだ堂本印象(1891-1975)。アンフォルメル(1950年代にヨーロッパで起きた前衛芸術の一動向)の影響を受け、美術の既成概念に挑戦し続けた吉原治良、白髪一雄らの具体美術協会(1954年結成)。そして文字の造形化を試みた、書家・森田子龍(1912-1998)。「日本画 洋画 書」とそれぞれ異なる分野で活躍した彼らを結ぶ共通点、それは第二次大戦後という「時間軸」と「抽象」であろう。当時、彼らは低迷していた美術界で新しい可能性を探り、互いに影響しあいながらも、独自の、新しい造形を作り上げていったのである。こうして一緒に並べてみるとけっこう面白いし、意義深い。良い企画だ。ただ、展示作品が少なく、物足りない感が否めない。[金相美]
2011/09/07(水)(SYNK)
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