artscapeレビュー

「凝縮の美学──名車模型のモデラーたち」展

2011年10月01日号

会期:2011/09/03~2011/11/17

INAXギャラリー大阪[大阪府]

一言で「模型」といっても、プラモデルやソリッドモデルなど、その種類や作り方はさまざまなようだ。そんな模型の世界で、究極といえるのが、おそらくスクラッチビルドモデル(Scratch Build Model)ではないかと思う。「スクラッチビルド」とは、市販のキットを使わず、すべての部品をゼロから作り上げる模型のことである。完成まで何百、何千ものパーツをつくり、組み立て、塗装などの仕上げを施す。部品をつくる道具がなければ、それさえつくってしまうのだという。完成品はモデラーの想像力と技術の賜物にほかならない。本展は、5人のアマチュアスクラッチビルドのモデラーと、3人のプロモデラーの作品を紹介している。展示場の入口にこういう言葉があった。「それは単に実物の縮尺模型ではない。喩えて言うなら1/10ではなく10/10と表現すべきものなのだ」と。なにかの縮尺ではなく、10/10と表現すべきもの。だから観る者は圧倒的な存在感を感じてしまうのかもしれない。東京に続く巡回展。大阪の次は名古屋へ。[金相美]

2011/09/06(火)(SYNK)

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