artscapeレビュー
大阪市立デザイン教育研究所 学生作品展
2012年03月01日号
会期:2012/02/04~2012/02/07
大阪市立デザイン教育研究所「デ研展」[大阪府]
大阪市立デザイン教育研究所は、公立では全国唯一のデザイン専修学校。造形専門に特化した歴史ある高等学校、大阪市立工芸高校(大阪市指定有形文化財に指定)に隣接する、その姉妹校でもある。本展では、学生自らの「知」と「手」によってつくりあげられたデザインが発表される。つまり、完成された形あるもののみならず、不可視の「デザイン・プロセス」までもが凝縮された展示となっている。「デザイン」とはなにかについて観者にあらためて気づかせる、意欲的な試みだ。会期中には、公開プレゼンテーションも行なわれた。今年は、これまで以上に学生たちの積極性、日々の活動・努力の成果が表われた展示だった。会場では、被災地の天川小学校へのボランティア活動(影絵制作等)や、同校の特色をなす「産学連携プロジェクト」(大阪市の企業PRの映像制作やポスター制作・デザイン提案、アパレル会社とコラボレーションしたデザイン・イベントの企画等々)のほか、プロダクトデザイン、スペースデザイン、グラフィックデザイン、インテリアデザイン分野の授業作品が展示された。また初日には、プロダクトデザイナー秋田道夫氏による公開講座が行なわれた。これら展示内容と講義の詳細は、いずれも同研究所の充実した関連ウェブサイトおよびUSTREAMで見ることができる。熱意をもって来場者に解説をしてくれた学生たちへ大きなエールを送るとともに、これからも大阪/関西をデザインの力でますます盛り上げていってくれるよう期待したい。[竹内有子]
2012/02/06(月)(SYNK)