2021年04月15日号
次回5月17日更新予定

artscapeレビュー

プレビュー:宮本佳明 展 福島第一原発神社~荒ぶる神を鎮める~

2012年03月01日号

会期:2012/03/05~2012/03/24

橘画廊[大阪府]

兵庫県在住の建築家で、阪神淡路大震災の翌年(1996)に行なわれたヴェネチア・ビエンナーレ建築展に被災地の瓦礫を持ち込んで金獅子賞を獲得した(磯崎新らと共同受賞)宮本佳明が、東日本大震災から1年という区切りの時期に大胆な提案を行なう。それは、福島第一原発の原子炉建屋に桧皮葺の屋根を設けて神社あるいは廟とし、放射能が低線量になる1万年後まで祀るというものだ。たとえ廃炉に成功しても、大量に発生する高レベル放射性廃棄物の移設方法や移設先を決めるのは難しい。ならばいっそ被災地をアイコン化し、メンテナンスを続けていく方が記憶を正しく伝承できるのではないか。このプロジェクトにはそんな思いが込められている。工学的な裏付けや日本人の宗教観との整合性も考慮されており、真面目な提案として検討に値する。

2012/02/20(月)(小吹隆文)

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