artscapeレビュー

西村一成 絵画展 幻たちのブルース

2014年08月01日号

会期:2014/06/28~2014/07/20

ギャルリー宮脇[京都府]

西村一成は独学の画家で、2000年頃から自身の欲求の赴くままに制作を続けてきた。作品の特徴は思い切りのいい筆致と斬新な色使いで、モチーフは人物、風景、想像の世界など実にさまざま。何よりもよいのは、どの作品も見る者の喉元にぐっと踏み込んでくるようなパワーを持っていることだ。本展では新作40点が出品され、西村の多様な作品世界を知ることができた。彼は統一的なテーマやコンセプトを持たないが、それが作品の価値を下げることにはならない。表現することの根本について、改めて考えさせられた。

2014/07/01(火)(小吹隆文)

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