artscapeレビュー
こども展 名画にみるこどもと画家の絆
2014年08月01日号
会期:2014/07/19~2014/10/13
大阪市立美術館[大阪府]
パリのオランジュリー美術館で2009年から10年にかけて開催され、約20万人を動員した企画展をもとに、日本向けに作品を選定し直し再構成した展覧会。19世紀初頭から20世紀の画家47名による、自分や知人の子どもたちを描いた作品86点で構成されている。その多くは個人コレクションで、約2/3の作品が日本初公開だ。作品を見て気付いたのは、時代を経るごとに子どもの描き方が自由になっていくこと。昔の作品ほどモデルは大人のようなポーズでたたずんでいる。これは子どもへの眼差しの変化を表わしているのだろう。また、ひとりの子どもを複数の画家が描く、幼少時と成長後の作品が並置されるなど、子どもを巡る人間関係が垣間見えるのも興味深かった。そして何よりも痛感したのは、親が子に注ぐ愛情は、時代や洋の東西を問わず普遍的だということ。会場全体が親子愛に包まれているようで、心地よい幸福感に浸れる展覧会であった。
2014/07/18(金)(小吹隆文)
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