artscapeレビュー
プレビュー:サイネンショー
2014年08月01日号
会期:2014/08/26~2014/09/06
MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w[京都府]
「サイネンショー」とは、家庭で使われなくなった不要陶器を回収し、再び窯に入れて再焼成したものを、作品として提示する活動のこと。作品の仕上がりは千差万別で、なかには実用品として再使用できそうなものもあるが、大半は絵付けや形態の変貌によりオブジェ化している。陶芸家の松井利夫を中心としたメンバーたちの狙いは、陶磁器が大量生産され死蔵品が溢れ返る現状への危機感、そして中古陶磁器の再生法の模索、さらには売上金から経費を差し引いた利益を東北の芸術活動支援に回すことである。筆者は昨年の展覧会で初めて彼らの活動に接したが(画像は昨年の展示風景)、その作品は上記の理由を抜きにしても面白く、造形活動の新たな地平を切り開けるのではないかと感じた。今年の作品が更なる飛躍を見せてくれるよう期待している。
2014/07/20(日)(小吹隆文)