2022年12月01日号
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artscapeレビュー

能面と能装束──みる・しる・くらべる

2014年08月01日号

会期:2014/07/24~2014/09/21

三井記念美術館[東京都]

三井記念美術館では毎年夏に「美術の遊びとこころ」をテーマに所蔵品を中心とした古美術入門の展覧会を催している。今年は、旧金剛宗家伝来および橋岡一路氏寄贈の能面(展示室1・2・5)と、三井家伝来の能装束(展示室4)、そして三越伊勢丹が所蔵する歌舞伎衣裳(展示室7)が取り上げられている。展示室5では、似た名前、姿の能面を並べて展示し、その造作の違いと演じられる役柄の違いを対比する。目や口、髭の造作、髪の毛の描き方、顔の表情の違いが解説されており、とてもわかりやすい。特別展示の歌舞伎衣裳も興味深い。三越は明治40年から昭和27年まで歌舞伎公演のための貸衣装事業を行なっており、昭和初期の歌舞伎衣裳多数が保存されているという。それらのなかから往時の人気役者が着用した13点が舞台写真とともに展示されている。舞台衣裳は離れたところから見て効果的なものだと思っていたが、間近で見ても溜息が出るほど美しくつくられている。さらに本展の展示方法で特筆すべきは展示室1である。入ってすぐの展示室1はいつも印象的な空間だが、本展でも期待を裏切らない。透明なアクリル板に固定された能面の数々が独立ケースに配され、面が宙に浮いているかのように見える。「能面のような」とは表情に欠けることの例えであるが、さまざまな角度から見ることができる展示方法と効果的な照明で、じっさいには面の表情がとても豊かであることがわかる。ケースの反対側に回れば作者名や制作年代などが書かれた面の裏側も同時に見ることができるのもいい。[新川徳彦]


展示室1展示風景

2014/07/23(水)(SYNK)

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