artscapeレビュー
フィオナ・タン まなざしの詩学
2014年10月15日号
会期:2014/07/19~2014/09/23
東京都写真美術館[東京都]
フィオナ・タン「まなざしの詩学」展は、メディアの差異や、アイデンティティと記憶の問題をテーマに扱う。とくに《インヴェントリー》(2012)は、筆者の好きなロンドンの建築家ジョン・ソーンの自邸に展示された古代遺物を6種類の映像メディアで記録したものである。建築空間の説明はなく、コレクションを断片的かつ複合的視点で表現していた。またフィオナ・タンのドキュメンタリー映像《興味深い時代を生きますように》は、面白くて60分、つい最後まで見る。アジアと西洋のハーフとして生まれた彼女のルーツをたどるべく、オランダ、オーストラリア、インドネシア、香港、ケルン、そして起源となる中国のタン族の村へとたどりつく。華僑の移動とネットワーク力に感心させられた。
2014/09/06(土)(五十嵐太郎)
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