artscapeレビュー
日本建築学会建築文化週間2014カルチベートトーク
2014年10月15日号
会期:2014/09/26
建築書店[東京都]
建築会館の書店にて、濃厚な資料集でもある『日本の名建築167日本建築学会賞受賞建築作品集1950-2013』本について、監修した古谷誠章、寄稿した倉方俊輔と五十嵐、編集の大森晃彦が、トークイベント「学会賞とはなにか─日本建築学会賞受賞建築作品集1950-2013の刊行記念」を行う。日本建築学会賞(作品)は戦後すぐに創設され、これまでに多くの作品が受賞し、その審査経緯、選評、受賞の言葉などが60年以上にわたって蓄積されているが、それらを総覧できる初の書籍である。各執筆者は時代の変遷やテーマ別の切り口から、学会賞を読みとくが、アーカイブゆえに、ここから議論できる内容は将来さらに発掘可能だろう。建築会館の書店は親密なスケール感で、よい雰囲気だった。やはり学会賞(作品)の審査を通じた膨大かつ多角的な議論が、非公開なのはもったいない。公開審査がすぐに無理だとしても、数十年後に全内容が公開されるなどの措置はできないものか。後世の歴史家に委ねて。
2014/09/26(金)(五十嵐太郎)