artscapeレビュー
「これからの写真」展、APMoAプロジェクト・アーチ
2014年10月15日号
会期:2014/08/01~2014/09/28
愛知県美術館[愛知県]
メディアで騒がれただけに、鷹野隆大の裸体表現とその対処が話題になりがちだったが、他の作品も充分に興味深い。被災を題材とする新井卓や田代一倫。また鈴木崇、木村友紀、田村友一郎らは、空間や場をつくり、写真の枠組を超える試みだった。とくにモノそれ自体の高解像度の写真を1/1のスケールでモノに張りつけて、表面に対する認識の揺らぎをもたらす、加納俊輔が印象的だった。また常設のエリアでは、美術館があいちトリエンナーレ2010と2013で展示された志賀理江子の写真25点を新規購入したが、黒いフレームに入れ、これまでのインスタレーション的な見せ方とは装いを変えて展示している。APMoAプロジェクトでは、末永史尚が県美の作品をもとに、額縁までを含めた絵画(しかし、絵の中身は表現せず)を制作する。大塚国際美術館の額縁効果を思いだし、ニヤリとさせられる。
2014/09/14(日)(五十嵐太郎)
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