artscapeレビュー
20世紀琳派 田中一光
2015年10月01日号
会期:2015/08/18~2015/10/29
京都dddギャラリー[京都府]
今年6月から7月にかけて奈良県立美術館で大規模な「田中一光展」が行われた。その直後に京都で別企画の「田中一光展」。京都が琳派400年で沸いているのは知っているが、なぜこの時期に? というのが事前の正直な気持ちだった。いざ本展を見てみると、田中が琳派から受けた影響を、主題、技法、色、形などの要素から明らかにしており、約120点という規模も手伝って見応えのある内容に仕上がっていた。また、「琳派とデザイン」「永遠の琳派」など田中自身が琳派について語っている文面の一部がパネル展示されており、彼にとって琳派がいかなる存在なのかが明瞭に伝わった。奈良の回顧展に対し、京都はテーマ性の強い企画展。短期間に異なる観点から巨匠の世界を概観できたのは、贅沢な体験だった。
2015/08/21(金)(小吹隆文)
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