2021年12月01日号
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artscapeレビュー

トーマス・ノイマン MORI・Thomas Neumann・ISHI

2016年02月01日号

会期:2016/01/16~2016/02/13

ギャラリーノマル[大阪府]

2013年にギャラリーノマルで2人展を行ったノイマンが、昨年10月に出版した写真集『The Japanese Series』の収録作品で日本初個展を開催した。作品は《MORI》《ISHI》と題した2つのシリーズ。《MORI》は山林を高い位置から見下ろす角度で撮影したストレート写真で、ネガ画像を定着させている。そのせいか水墨画のような仕上がりで、最初のうちはCGかと思った。それに対して《ISHI》は鑑賞用の水石をアップで撮影したものだ。どちらも長辺1メートルを超えるラージサイズでプリントされており、それこそ山水画の屏風や掛軸を見ているような気持にさせられる。縮景から大自然を想像するのは東洋美術の伝統だが、それが通用するこれらの作品は多くの日本人にとってアプローチしやすいものであろう。トーマス・ルフに師事し、コンセプチュアルな思考が骨の髄まで染み込んでいるであろうドイツ人作家から、このような作品が生み出されたのは興味深いことだ。

2016/01/19(火)(小吹隆文)

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