artscapeレビュー
関西学院大学 西宮上ケ原キャンパス
2017年08月01日号
[兵庫県]
博士論文の審査のために、関西学院大学の西宮上ケ原キャンパスへ。時計台を中心にして、ウィリアム・メレル・ヴォーリズの手がけた建築群が囲む最初のエリアは、ちょっと日本の大学とは思えない、西洋的な雰囲気が漂う。古い建築を保存し、また新しい部分もヴォーリズのスタイルを踏襲し、かなり統一された景観を形成している。なお、本人も建築を学んだ経験をもつ松村淳の論文「現代日本における〈建築家〉の社会学的研究」は、社会学的なタームによって建築家の状況を整理したものだった。建築家のエートス養成の場を大学教育に求め、CADによる職能の変化を論じ、アンソニー・ギデンズの脱埋め込みと再埋め込みの枠組から、現在のコミュニティ・デザイン的な傾向を位置づける。
2017/07/10(月)(五十嵐太郎)