artscapeレビュー

模型世界──探求するかたちの蒐集──

2017年11月15日号

会期:2017/09/29~2017/10/13

東北大学トンチクギャラリー[宮城県]

東北大の五十嵐研による「模型世界」展がスタートした。昨年の「先史のかたち」展では縄文土器を渦状に並べたが、今回は模型をテーマに多分野のコレクションを借り、屏風を共通モチーフとしながら、それぞれの展示物にふさわしいオリジナルの什器を制作し、現代における驚異の部屋を演出した。今回、アーティスト枠としては、宮城大の建築家、中田千彦による連作の模型も参加している。各ジャンルの作品解説やコラムを収録した「模型世界」展のカタログでは、1冊の本なのだが、四種類のページの開き方がある特殊な製本に挑戦した。せんだいスクール・オブ・デザインで制作した「S-meme」の実験と同様、紙ならではの読書をデザインしたものだ。また日本電気硝子が協賛した見えないガラスを一部の什器で用いたが、本当に映り込みがなく、目の前にガラスがないかのような視覚体験に多くの来場者が驚いていた。

写真:上=会場風景 中=中田千彦の模型 下=見えないガラスを用いた展示

2017/09/30(土)(五十嵐太郎)

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