artscapeレビュー
Search & Destroy
2017年11月15日号
会期:2017/09/29~2017/10/15
TAVギャラリー[東京都]
「検索エンジンによるイメージの結果から、再構と破壊を試みる現代美術家、計5人によるグループ展」とのことだが、そんなことはいまどきのアーティストならフツーにやってることであって、この展覧会で重要なのはいい作家をしっかり集めていたことだ。竹内公太の「エゴサーチ」と渡辺篤の「傷」は以前にも書いたので略。末永史尚は矩形の物体をタブローと化す作品で知られるが、今回はマーク・ロスコとエルズワース・ケリーの抽象画を10-20点ずつ小さな画面に並べて描いている。これは画家の名前を検索したときに現われる均質化されたサイズの画像をそのまま描いたもの。これはカワイイ。岩岡純子は初めて見るが、展覧会のチケットやチラシ、切手などに描かれた名画の人物にファッションチェックを入れた作品。チケットやチラシにはそれが開かれた年月を、切手には消印を残して残りの部分は消し、その時代のモードを検索して調べ、先生が添削するように細かく赤入れしているのだ。こういうの好きだな。これを見られただけでも阿佐ヶ谷まで足を運んだ甲斐があった。
2017/10/09(月)(村田真)