artscapeレビュー
カタログ&ブックス│2018年4月
2018年04月15日号
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
コンニチハ技術トシテノ美術 Nice to meet you Artechnik
2017年度の展覧会「コンニチハ技術トシテノ美術」の記録書籍を刊行しました。展示作品の写真や作家の言葉、社会学者貞包英之さんと鷲田清一館長の論考、comosTVのトークイベントなどを掲載しています。
現代アートとは何か
現代アートを司るのは、いったい誰なのか? 世界的企業のトップや王族などのスーパーコレクター、暗躍するギャラリスト、資本主義と微妙な距離を保つキュレーター、存在感を失いつつも反撃を試みる理論家、そして新たな世界秩序に挑むアーティストたち……。日本からはなかなか見えてこない、グローバル社会における現代アートの常識(ルール)=本当の姿(リアル)を描きつつ、なぜアートがこのような表現に至ったのか、そしてこれからのアートがどのように変貌してゆくのかを、本書は問う。さらに、これら現代アートの「動機」をチャート化した「現代アート採点法」によって、「難解」と思われがちなアート作品が目からウロコにわかりはじめるだろう。アートジャーナリズムの第一人者による、まったく新しい現代アート入門。
メディア・アート原論
メディア・アートを明確に定義することは難しく、メディア・アートをめぐる言説に関しても複数が錯綜している状態です。本書は、最先端の工学に明るく、創作者としても活躍中の久保田晃弘さんと日本のメディア・アートのメッカ、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で20年間メディア・アートの現場に携わってきた畠中実さんという第一人者の二人が、メディア・アートに関する論点をわかりやすく整理・解説した入門書です。
キュレーションの方法 オブリストは語る
英「アートレビュー」誌「現代アートの最も影響力を持つ100人」で第1位に選ばれたトップ・キュレーターが、自身の活動を振り返り、現代アートを含む芸術文化の過去と未来を語り尽くす!
JA 109 SPRING, 2018 Kengo Kuma: a LAB for materials
「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」展の公式図録。「国内外で膨大なプロジェクトを抱えつつ疾走する世界的建築家、隈研吾(1954~)。古今東西の思想に精通し、「負ける建築」「自然な建築」などの理念を実践してきた約30年に及ぶプロジェクトを集大成して展観します。本展では特に、隈が仕事を通じて対話を重ねてきた素材に着目し、主要なマテリアル(竹、木、紙、石、土など)ごとに分類・整理することで、“もの”という観点から概観を試みます。」
展覧会は東京ステーションギャラリーにて2018年5月6日(日)まで開催中。
グリーンランド:中谷芙二子+宇吉郎
2018年3月上旬までメゾンエルメスで開催された、霧のアーティストとして国際的に活躍する中谷芙二子とその父・宇吉郎による同名の展覧会の公式カタログ。展示のインスタレーションビュー、作品リストのほか、岡崎乾二郎による評論「あふるるもの」などを収録。
AC2 No.19(通巻20号)
アーティスト・イン・レジデンスを主な事業とする国際芸術センター青森による編集・発行の定期刊行誌。特集は「美術と社会」。2017年に同施設で滞在制作を行なったアーティストのインタビューや展示記録などを複数掲載。
芸術と労働
芸術活動と労働について現況をさまざまな視点から捉え、芸術と労働、芸術と社会との関わりを考察し、その行方を探る試み。
コンサベーション_ピース ここからむこうへ part A 青野文昭展
2017年9月9日〜10月15日に武蔵野市立吉祥寺美術館で開催した「コンサベーション_ピース ここからむこうへ part A 青野文昭展」の公式カタログ。同展の会場写真や青野文昭氏による関連テキストのほか、小説家の保坂和志氏が本展に寄せたテキストを掲載。出品作以外の過去作品図版も多数掲載し、青野氏の作品集としての体裁を兼ねた内容です。
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2017年12月15日号フォーカス アンケート「2017年に印象に残った読みモノはなんですか?」青野文昭(美術家)
2018/04/15(artscape編集部)