2020年10月15日号
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立教大学社会デザイン研究所 大和ハウス工業寄付講義「文化の居場所を考える」

2019年01月15日号

会期:2018/12/17

東京都[http://www.rikkyo.ac.jp/]

大和ハウス寄付講座の「文化の居場所を考える」プログラムにて、八束はじめを講師に迎え、「ビルディングタイプ 20世紀〜21世紀」をテーマに語ってもらった。八束からは21世紀のことはもうあまり語れないとしつつ、近代のビルディングタイプが成立した背景が説明された。とくに社会のシステムが劇的に変動したロシア革命やフランス革命を挙げつつ(エチエンヌ・ルイ・ブーレーやイワン・レオニドフなど、いずれもイマジナリーな球体建築が登場するのだが)、新しいビルディングタイプの創出には、造形的なデザインよりも、社会的な構想力が必要であると指摘した。すなわち、思いつきで提供されるような建築ではない。思想を伴い、社会の枠組をつくる施設=制度としてのビルディングタイプである。筆者も、ミシェル・フーコーの影響を受けつつ、かつて雑誌『10+1』に「ビルディングタイプの解剖学」の連載を寄稿し、のちに著作としてまとめた。

おそらく、社会的な構想力は、純粋な工学教育から得られるものではないだろう。したがって、ビルディングタイプを考えるならば、人文の知を学ぶ必要がある。また単発の特殊なプロジェクトでは普遍化しにくいから、建築と政治の関係も重要だろう。現在の常識と違う社会を知るには、歴史から知見を得ることも可能だ。例えば、フィリップ・アリエスが『〈子供〉の誕生』で論じたように、家族や子供の概念も変化している。そして郊外住宅の登場が、近代の家族という形式を支えることになった。ゆえに、こうした前提を疑うために、以前、筆者はTEPCOのアイデア・コンペで、非家族と暮らす住宅を課題にしたことがある。だが、結果としては、学生が似たような友人と生活する案ばかりで、他者への想像力がかなり貧弱であることに気づいた。昔の家では、書生や居候、親戚の誰かや女中など、血縁者とは別の人間と暮らすことがめずらしくなかったことは、歴史から学ぶことができるだろう。

2018/12/17(月)(五十嵐太郎)

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