artscapeレビュー
放課後の展覧会
2009年06月15日号
会期:2009/05/23~2009/05/31
元立誠小学校[京都府]
キュレーター主導によるものではなく、アーティストが主体となって企画・運営された展覧会。元小学校の校舎という会場の特性を踏まえ、発起人である作家の木内貴志が声をかけた11名の参加作家が放課後をテーマに作品を展示した。初日のオープニングイベントをはじめ、会期中にはほぼ毎日「放課後居残り補習授業」と題した出品作家による日替わりのワークショップやトークショーなども開催。作家たちが集って運営開催する展覧会というと、内輪のノリになりやすかったり、そうでなければ、それぞれの作家のモチベーションやその温度差が目についてしまうものもあるのだが、今展は総じて充実した内容で、各々の努力の成果がうかがえるものだった。図書室で本によるインスタレーションを発表していた宮永甲太郎をはじめ、森田麻祐子、木藤純子、笹倉洋平らの作品は特に、学校空間や放課後というイメージとともに、嗅覚や視覚、聴覚などの身体的な記憶も遡らせていく。夕暮れ時に訪れたのは良かった。
放課後の展覧会:http://houkagoten.org/
2009/05/24(日)、2009/05/27(水)(酒井千穂)