artscapeレビュー
坂倉準三《岐阜市民会館》
2009年06月15日号
[岐阜県]
竣工:1967年
坂倉準三設計で1967年に竣工、翌1968年にはBCS賞を受賞している。面白いのは前期と後期のル・コルビュジエ建築が同居しているような印象を感じさせるところ。水平性の強い二階部分のヴォリュームは明らかに前期のル・コルビュジエの影響であるが、円錐台形の上部を斜めに切り取ったようなホールは、《チャンディガール議事堂》や《フィルミニのサン・ピエール教会》に現われる後期の形態と関連づけられるだろう。幾何学性と有機性の組み合わせであり、坂倉の後期コルビュジエ解釈と受容を見たような気がした。
2009/05/08(金)(松田達)