2022年10月01日号
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artscapeレビュー

小杉武久 二つのコンサート

2009年07月01日号

会期:2009/06/12~2009/06/13

国立国際美術館[大阪府]

1960年代以来、一貫して音楽の概念を拡張する作品制作を続けてきた小杉武久が、美術館を会場に2日間のコンサートを開催。1日目は1960年代から2000年代の代表作を総覧する内容で、和泉希洋志、浜崎健、藤本由紀夫、ヤマタカEYEが共演。2日目はピアニスト・作曲家の高橋悠治と共演し、お互いのために委嘱した作品を中心に演奏された(5曲中、3曲が世界初演、2曲が日本初演)。数々の作品のなかでも、光反応発振器や接触反応発振器を用いて行為をダイレクトに音楽化させたり、フィードバックを多用して電子音の咆哮が会場中を駆け巡るタイプの作品は非常にスリリングで、音の生成と破壊と更新を繰り返しながら音楽が生まれてくるダイナミズムを全身で浴びる快感がえられた。また、かつては「前衛」とカテゴライズされていた小杉の音楽が、今やひとつの音楽としてすんなり聞こえてくる事実を前に(凡庸という意味ではない)、この半世紀の音楽表現の進展を実感した。

2009/06/10(水)(小吹隆文)

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