artscapeレビュー
Chim↑Pom展「Fujiyama、GEISYA、JAPAnEse!!」
2009年09月01日号
会期:2009/07/26~2009/08/08
無人島プロダクション[東京都]
夏といえばChim↑Pom。こちらはホームである無人島プロダクションでの個展。今回のテーマは、外国人の目を通した日本人のステレオタイプということだが、全体的に作品のパンチ力が乏しく、正直にいって、笑えるものも考えさせられるものもほとんど見受けられなかった。唯一見ものだったのは、画廊の窓から外をのぞくと、線路の向こうのビルの屋上に忍者の格好をした水野くんが毅然と立っているパフォーマンスで、並々ならぬ労力を費やしているという点でいえば、辛うじて及第点をつけられるものの、これ以外の作品は、外国人の目をとおした日本人像を観客である私たち自身が笑い飛ばすというところまでには至っておらず、まったくの赤点である。凡百の現代美術のように、笑いを捨ててシリアスに考えるのではなく、かといって笑いだけで開き直るわけでもなく、笑いながら考えるという「図々しさ」に、Chim↑Pomの画期的な魅力があったはずだ。
2009/08/02(日)(福住廉)