artscapeレビュー
植田正治 写真展 写真とボク
2010年07月01日号
会期:2010/05/21~2010/06/13
美術館「えき」KYOTO[京都府]
鳥取砂丘を舞台にした代表作をはじめ、初期から晩年までの作品を網羅した回顧展。初期作品こそピクトリアリズムや新興写真からの影響が見てとれるが、その後は一貫して独自の歩みが続く。生涯、故郷の鳥取から離れなかったが故のガラパゴス効果といったら失礼かもしれないが、中央から距離を置き続けたことが功を奏したのは間違いない。ある意味、写真史から浮いた存在だが、それ故彼の作品には時代を超越した魅力が宿っているのだ。また、シャープな構図と和の叙情が絶妙のバランスで均衡しているのも植田作品ならではの魅力だと再確認した。
2010/06/12(土)(小吹隆文)
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