artscapeレビュー
ガロン第1回展
2010年07月01日号
瑞聖寺ZAPギャラリー[東京都]
会期:2010/06/11~2010/06/13、2010/06/18~2010/06/20
日本画系の美術家によるグループ展。画家の市川裕司、大浦雅臣、金子朋樹、佐藤裕一郎、西川芳孝、松永龍太郎と、美術史研究者の小金沢智をあわせた7名がガロンのメンバーだ。今回の個展では白金の瑞聖寺にあるギャラリーで小金沢によるコーディネートのもと、他の6人のメンバーが2つのフロアに分かれて作品を発表した。なかでもとりわけ際立っていたのは、金子朋樹。空中を行き交う軍用ヘリコプターの機影を和紙に墨などで描きつけた。その不穏な迫力もさることながら、支持体の表面をわずかに丸く湾曲させているため、それじたいがヘリコプターの機体のように見える。日本画という形式から内容を導き出すのではなく、描くべき内容から形式を開発するという知恵にこそ、アーティストとしての矜持があるのではないだろうか。
2010/06/18(金)(福住廉)