artscapeレビュー
白子勝之 個展 exhibition 1
2010年07月01日号
会期:2010/06/04~2010/06/27
eN arts[京都府]
紙の上に鉛筆でグルグルと線を走らせたようなフォルムのオブジェが壁にかかっている。のびやかな曲線と、線が重なり合う部分の細やかな加工が美しい。部分的に塗られた漆も効果的だ。白子は美大で漆芸を専攻したが、敢えて漆を前面に出さない引きの美学の持ち主らしい。ほかには、五重塔の先端の「水煙」を思わせる造形や、写真作品が出品されていた。写真作品は自作の漆の小オブジェを野菜と合体させたもので、実物は敢えて展示していない。いずれも初個展とは思えないほど完成度が高く、今後の活躍に期待が持てる。
2010/06/12(土)(小吹隆文)