2019年07月15日号
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artscapeレビュー

秋山祐徳太子 高貴骨走

2010年07月01日号

会期:2010/05/28~2010/06/27

AISHO MIURA ARTS[東京都]

ポップ・ハプニングの秋山祐徳太子による新作展。70年代に二度にわたって立候補した東京都知事選挙の選挙運動のポスターやその記録映像、ライカ同盟での写真、そして近年取り組んでいるブリキ彫刻《ダリコ佛》などを発表した。これまでの回顧展といえなくもないが、過去への回帰志向というより、現在と未来への志向性を強く感じさせていたのは、展示の全体がブリキ彫刻を中心に構成されていたからだろう。大小さまざまな《ダリコ佛》が立ち並んだ様子は、三十三間堂の千手観音立像といえば大袈裟だが、それに近い壮観な雰囲気をもたらしていた。そこには、アヴァンギャルドの古典回帰などではなく、むしろ老いてなお前進することをやめない、瑞々しくも高貴な高齢者の力強い足どりがあった。

2010/06/04(金)(福住廉)

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