artscapeレビュー
2016年04月15日号のレビュー/プレビュー
《Ndalem Natan》
[インドネシア]
ラストの建築訪問は、《Ndalem Natan》である。19世紀につくられた擬洋風的な建築を修復し、宿泊施設やアートセンターにリノベーションしたプロジェクトだった。王宮風、西洋風、イスラム的な要素もあるが、さらにアールヌーボー的な装飾やアールデコ的な家具も存在している折衷的な空間だ。
2016/03/31(木)(五十嵐太郎)
カタログ&ブックス│2016年4月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
きのこ漫画名作選
「すべての"きのこ中毒者"へ」──飯沢耕太郎が編集する「きのこ漫画」アンソロジー。白土三平、つげ義春、松本零士、白川まり奈ら漫画家が描く「きのこモチーフ」作品を多数収録している。カバー前面に金箔を施した、初版限定3000部の特殊装幀本。
祖父江慎+コズフィッシュ
ブックデザイナー・祖父江慎の主立った仕事を「コミックス」「読み物」「ビジュアル」「コズフィッシュ以前」の4カテゴリーに分けて祖父江自らによる解説とともに一挙掲載。加えて本文フォーマットや造本の設定書なども多数収録、巻末にはコズフィッシュ以前から2016年現在までの全仕事を網羅したブックリストも併録。祖父江慎+コズフィッシュのすべてがわかる408ページです![出版社サイトより]
ながいながいみち
海の近くの黄色く輝く長い長い道に沿って、街を横切り、郊外を抜けて自転車が走る──。付属の切り取り式カードで道をたどって遊べる、爽快感が味わえる絵本。収納ポケット付き。[書籍紹介より]
観察する男──映画を一本撮るときに、監督が考えること
岡山県牛窓を舞台にした観察映画『牡蠣工場』(2016年2月公開)をつくる想田和弘監督の取材記録。映画の撮影後記ではなく、撮影・編集中のインタビューによって、「観察する男『想田和弘』」自身を観察する構成。インタビューのなかに記されている撮影中の逡巡や構想中のアイディアは、完成した映画を補完するものではなく、新たな観察映画を鑑賞するかのように想起される。
日常と不在を見つめて──ドキュメンタリー映画作家・佐藤真の哲学
90〜00年代、《日常》と《不在》にこだわり、潜む闇をじっくりとあぶり出したドキュメンタリー映画作家、佐藤真。公害問題と日常、障害とは、アートとは何か、グローバリゼーションに抗うこと、そして映像のもつ根源的な力とは──。(…)
佐藤が世を去って9年。その仕事に着目した一冊の書籍が誕生します。影響を受けた人からともに歩んできた人まで、佐藤真に惹きつけられた32人の書き下ろし原稿とインタビュー、そして佐藤真の単行本未収録原稿を含む傑作選を収録。映像作家であり、90年代後半の類稀な思想家とも言うべき佐藤真の哲学を掘り下げ、今を「批判的に」見つめ、私たちの確かな未来への足場を探ります。[出版社サイトより]
OS10──アートとメディア・テクノロジーの展望 ICCオープンスペース10年の記録2006-2015
NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]が、2015年度で10回目を迎えた「ICCオープン・スペース」を記念して制作した 記録集。メディア・アート作品や現代のメディア環境における多様な表現を取り上げて紹介する「ICCオープン・スペース」の10年間の記録と動向のドキュメント。巻末には藤幡正樹と久保田晃弘による対談とエルキ・フータモによる「オープン・スペース」評を収録。
AC217号
青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)が発行する定期刊行誌の17号(通巻18号)。主任技術員の椎啓による特集「AAICの展示の工夫」では、アーティスト・イン・レジデンスで滞在制作するアーティストの技術的サポートの事例を紹介する。それぞれの作品に合わせて考案・作製される器具や装置のほか、雪国ならではの運搬方法などを解説する。
2016/04/01(金)(artscape編集部)