2018年10月15日号
次回11月1日更新予定

artscapeレビュー

プレビュー:ロロ『ハンサムな大悟』

2015年06月01日号

会期:2015/06/04~2015/06/14

こまばアゴラ劇場[東京都]

ロロの新作があります。タイトルは『ハンサムな大悟』。80年代まんまなテイストのイラストがフライヤーで踊っています。三浦直之率いるロロとの出会いは『ボーイ・ミーツ・ガール』(王子小劇場、2010)で、そのときは猛烈に感動したのを覚えています。演劇が嘘を語るものだとしたら、その嘘でここまで跳躍できるんだ!と、三浦さんのはちゃめちゃなイメージの広がり方や演劇を信じる強さのようなものに圧倒されたのでした。その後も、何度かロロの舞台を見ましたが、奇跡を信じる無邪気さのようなものはさすがに落ち着いてきて、そのぶん、描かれる世界は豊かになり、しかしまたそのぶん、ぼくの心は少しロロから遠ざかってしまっていました。今作は見に行こうと思っています。結構強くそう思っていて、なぜそう思ったのかは自分でもよくわからないのですが、タイトルに惹かれているのは間違いありません。「ハンサム」であることは、モテモテであることを帰結するとして、モテモテの人生というのは人生における永劫回帰を悟らしめるものなのではないか? ハンサムではないのでぼくには想像しかできませんが、「ハンサム」であることの絶望から大悟はどう突破するのか? そう思うと、『ボーイ・ミーツ・ガール』でロロに一時中毒になったぼくのあのときの気持ちに、「第二章」を与えてもらえそうな気がするのです。

2015/05/31(日)(木村覚)

2015年06月01日号の
artscapeレビュー

文字の大きさ