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artscapeレビュー

クリストとジャンヌ=クロード アンブレラ 日本=アメリカ合衆国 1984-91

2016年12月15日号

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会期:2016/10/01~2016/12/04

水戸芸術館現代美術センター[茨城県]

茨城県北芸術祭開催(もう終わっちゃったけど)に合わせ、4半世紀前に県北の地で行なわれたクリスト&ジャンヌ=クロードによる《アンブレラ》プロジェクトを回顧。《アンブレラ》は、太平洋を隔てて茨城県とカリフォルニア州の日米2カ所で、直径8.7メートルの巨大傘3100本を開くという途方もなくバカげたプロジェクト。近年こうしたおバカなプロジェクトが減り、お行儀がよくて社会の役に立つアートばかり増えているのは寂しい限りだ。展示は、数十点に及ぶドローイングやコラージュを中心に、写真、記録映画、傘本体のほか、分厚い束の調査書や厖大な量の契約書、許認可書、アルバイトの手配、傘の開閉マニュアルなどの資料も出ている。傘をつくって立てるだけでも大変なのに、傘が風に飛ばされないように風洞実験を重ね、傘を立てる土地の地権者全員に会って許可をもらい、工場に特注し、数百人ものスタッフを集めて管理しなければならない。そうした事務手続きを考えるだけでも気が遠くなりそう。いくら分業しているとはいえ、これだけの作業をこなす合間に数百点ものドローイングを描くのだから、やっぱりクリストはすごい。というところに感心していてはいけないんだけどね。

2016/11/29(火)(村田真)

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