2017年11月15日号
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artscapeレビュー

ART PHOTO TOKYO edition zero

2016年12月15日号

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会期:2016/11/18~2016/11/20

茅場町共同ビルディング[東京都]

「ART PHOTO TOKYO」は吉井仁美(hiromiyoshii roppongi)をアートディレクターとして、今年からスタートした写真作品のアートフェア。東京・茅場町のもうすぐ取り壊しになるという古いビルの1~3階、8、9階を会場にするという意表をついたアイディアで、意外に面白い展示空間が成立していた。出品しているのは、G/P Gallery、Gallery Koyanagi、ShugoArts、Taka Ishii Gallery、小山登美夫ギャラリー、YUMIKO CHIBA ASSOCIATESなど、普段から写真作品の展示が多いギャラリーが中心だが、MIZUMA ART GALLERYや新宿眼科画廊などの現代美術系のギャラリーも写真を使う作家をラインナップしている。URANOの中島大輔、Gallery SIDE 2の田附勝、無人島プロダクションの朝海陽子など、総花的な展示ではなく1名~3名くらいの少人数に絞ったギャラリーが多かったのもよかった。廃ビルの小さな部屋を巡っていく視覚体験が、宝探しめいた喜びを与えてくれた。
もうひとつの特徴は、「ギャラリーが取り扱うファインアート」だけではなく「ファッションやコマーシャルフォトグラファーの作品も同じステージに」並んでいたことである。主に8、9階に集中して展示されていたレスリー・キー、宮本敬文、柿本ケンサク、桐島ローランド、若木信吾らの作品は、「ファインアート」の写真とそれほど違和感なく溶け込んで、会場全体を活気づける役目を果たしていた。
「edition zero」と銘打った今回の試みが、来年以降も継続されるかどうかはわからない。だが、思い切ったプランを実行できるという意味で、取り壊し前のビルをこうしたアートフェアの会場にするというアイデアは悪くない設定だ。次回もぜひ東京のどこかで実現してほしいものだ。

2016/11/20(飯沢耕太郎)

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