2017年10月15日号
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artscapeレビュー

竹中大工道具館 常設展

2017年08月01日号

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竹中大工道具館[兵庫県]

2014年秋に移転して、展示を大きくリニューアルした竹中大工道具館。地下が展示会場となる新しい建物には、伝統的な日本建築に用いられている職人芸が随所にちりばめられている。いわば、ミュージアムそのものが過去から現在に至るまでの建築技術を伝える場となっているのだ。美しい木のドアを入って驚くのが、ロビーのダイナミックな天井。国産杉の無垢材を用いて、船底に用いられる組み上げ技術を応用している。中庭には地元/淡路の敷瓦が使われ、土壁を鏝で削り出した壁や、鍛冶が鍛えた館内の案内サインには手仕事の跡が光る。展示物もまた規模が大きくなり増えた。唐招提寺金堂の実物模型や、茶室のスケルトン模型、千代鶴是秀の鍛冶場の再現など迫力たっぷり。大工道具のみならず、建築技術を駆使して作られた実物があるのは、鑑賞者にはやはり見応えがある。実際に見て、触って、木の香りも嗅ぐことのできる五感を活かした展示が同館の特徴。敷地内には美しい庭と茶室もある。未来の世代に継承すべき木の文化、大工の技、それらの伝統と最新技術の発展形を子供と楽しむことができる、またとない場所である。[竹内有子]


茶室のスケルトン模型

2017/07/01(土)(SYNK)

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