artscapeレビュー

戦ったあとの美術─1950年代を中心に─

2013年05月01日号

会期:2013/03/16~2013/03/31

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA[京都府]

日本の美術の歩みを京都市立芸術大学同窓会員の作品でたどるシリーズ企画の第3弾。終戦から1960年までの流れを19作家の作品で振り返った。残念ながら筆者が知る作家は少なかったが、それでも、柳原良平や林剛の初期作品を見ることができたのは収穫だった。また、戦中戦後の一時期に見られるセメント彫刻が2点展示されていたのも目を引いた。このような活動は本来なら美術館が行なうべきものだ。しかし、近年の美術館にそれを望むのは難しい。その意味で本展は、一美術大学の資料と但し書きはつくものの、高く評価されるべきであろう。同シリーズは今後、1960年代、70年代と続編があるらしい。その開催がいまから楽しみだ。

2013/03/26(火)(小吹隆文)

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