artscapeレビュー

ポンペイ

2014年07月15日号

映画『ポンペイ』を見る。廃墟の遺構が残るだけに、建築の表現は、垂直性を強調した『グラディエーター』や『テルマエ・ロマエ』に比べても、基本的にはちゃんとしているのだが、災害と破壊の描写はスペクタクル感をだすためだろうが、派手過ぎだった。いくらなんでも、あそこまでの津波はないのではと思う。また闘技場以外の普通の生活空間をもっと見たかった。例えば、都市住宅における2つの中庭アトリウムとペリスタイル、集合住宅のインスラなど、そうした場所を生き生きと描いて欲しかった。

2014/06/22(日)(五十嵐太郎)

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