artscapeレビュー

白川昌生 ダダ、ダダ、ダ──地域に生きる想像☆の力

2014年07月15日号

会期:2014/03/15~2014/06/15

アーツ前橋[群馬県]

群馬在住の異才アーティスト、白川の初の大規模な個展。白川昌生(芳夫)というと、70年代にフランスとドイツに留学して「日本のダダ」を研究し、帰国後は赤城山麓に引っ込んで制作と著述に専念してきたことくらいは知っているけど、作品の全容を見る機会はなかった。今回は、ヨーロッパ滞在中に記したコンセプトノートから、「日本のダダ」の関連資料、ちょっと構成主義的な立体、地元の祭りのために制作した木馬、スノボを用いたインスタレーション、若いアーティストたちとのコラボレーションまで並んでいて、とても刺激的。展覧会の終盤で唐突に岡本太郎を思い出した。太郎も白川も若いころヨーロッパで苦学し、帰国後ほとんど孤軍奮闘した点で重なるけれど、ぼくが太郎を思い出したのはそんな理由ではなく、白川が60歳近くになってスノーボードを始め、スノボを使った作品までつくっているからだ。太郎も中年をすぎてからスキーを始め、メキメキと上達して玄人はだしの腕前を見せ、スキーに関する著書も残している。ふたりともスキー(スノボ)が好きーって話ではなく、アートとは一見なんの関係もない「雪遊び」にハマった好奇心のありようが共通していると思ったのだ。

2014/06/06(金)(村田真)

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