artscapeレビュー

Lyota Sakai Semi-Automatic

2014年07月15日号

会期:2014/07/01~2014/07/12

Antenna Media[京都府]

次元の構造や人間の動きなど、奥行きのある絵画を発表してきた坂井良太の新作。都市の位置情報や自然、人口などの情報をルール化し、反映させた、幾何学的で図面のような(作家本人も図面と呼んでいた)ペインティング。言われないと分からないが、京都の町を描いたものもある。作家のつくったルールに基づいて描かれた風土ということであるが、そこにその町が存在しているということを違う角度から描くことであり、その存在自体を浮かび上がらせることでもある。それは、どこか芸術の普遍的な役割である気がする。ものすごく機械的な絵であるのに、どこか暖かみのある、作家ひとりの個の目線をしっかりと布に定着させたかけがえのないものに見えてくる。

2014/06/30(月)(松永大地)

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