artscapeレビュー

吉田雷太 個展

2014年07月15日号

会期:2014/06/30~2014/07/06

MOMURAG[京都府]

最近左京区にオープンしたばかりというリサイクルショップとバー、古本屋、多肉植物を扱う店が同居する珍しいギャラリーで、吉田雷太が個展を開催していた。”荒ら屋”にも思われる一見怪しげな佇まいの建物は、入りにくい雰囲気もあるのだが、二階建てのギャラリースペースはユニークな手作りの空間でなかなか居心地が良い。展示する作品は選びそうだが、吉田のカラフルで賑やかなドローイング、ペインティング、コラージュなどはよく似合っていた。吉田が個展を開くのは数年ぶり。今回は「顔」をテーマにした作品がぎっしりと展示された。鮮やかに混じり合う色彩と流れるような曲線から成る対象はグロテスクでサイケデリックなイメージ。構図の計算などは特になく、感覚的に筆を動かしていることが多いというが、作品は近づいてみると配色と線が美しいものが多く、卓抜なセンスを感じて見入ってしまう。大学卒業後はアートイベントなどへの参加活動が多かったが、今後の個展開催にも期待している。

展示風景


2014/06/30(月)(酒井千穂)

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