2021年09月15日号
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artscapeレビュー

美術の中のかたち 手で見る造形 横山裕一 展 これがそれだがふれてみよ

2014年09月01日号

会期:2014/07/19~2014/11/09

兵庫県立美術館[兵庫県]

手で彫刻作品に触れることができるユニークな企画展。その背景には、視覚障害者にも美術館に来てほしいという思いと、視覚に偏重しがちな美術鑑賞のあり方を問い直そうとの意図がある。本展は毎年開催されているが、今年はネオ漫画で知られる横山裕一を招き、横山自身の作品と、彼が選んだ、ジョアン・ミロ、アルベルト・ジャコメッティ、ジム・ダイン、井田照一、森口宏一、菅井汲の作品が展示された。会場構成は、展示室の壁面を横山の作品が埋め、展示台に置いた彫刻作品を室内に並べるというもの。また、ジム・ダインと横山の作品に共通する扇風機が数台、首を振って風を送っていた。横山の大作が壁面を覆うことで、本展は視覚的にダイナミックな空間づくりに成功したと言えるだろう。一方、横山の作品は平面なので触覚だけでは理解することができない。過去の同展と比べても、今回は触覚の占める割合が低めであり、そこが評価の分かれ目になると思う。

2014/07/19(土)(小吹隆文)

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