2021年09月15日号
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artscapeレビュー

IMARI/伊万里──ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器

2014年09月01日号

会期:2014/08/16~2014/11/30

大阪市立東洋陶磁美術館[大阪府]

17世紀初頭に佐賀県有田町で創始された日本最初の磁器「伊万里焼」は、オランダ連合東インド会社を通じた海外輸出により大きく発展する。本展は、西欧各地の裕福な人々のあいだで愛でられた「輸出用伊万里」を中心として、中国・景徳鎮で伊万里焼を模倣した「チャイニーズ・イマリ」、オランダのデルフトで伊万里に倣って制作された焼物等、約190点を見ることができる。なんといっても圧巻なのは冒頭に展示されている、王侯貴族の壮麗な宮殿を飾るにふさわしい、高さが90センチもある大型の壺や大瓶。日本の風俗・風景・花鳥を描いた模様図、金襴手の豪華な様式、入念な凝った装飾には、目を瞠らされる。出品作の大壺には、染付に蒔絵(この部分は釉薬をかけずに焼成)を組み合わせて構成し、蓋のつまみ部分には木製の獅子が置かれる、といったように非常に豪華絢爛な美術工芸品がいくつもある。ヨーロッパの人々の熱狂的な伊万里の愛好と、その需要に創意で応えようとした日本の陶工の奮闘努力に思いを馳せ、深く感じ入った。[竹内有子]

2014/08/19(火)(SYNK)

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