artscapeレビュー
第59回 表装・内装作品展
2016年07月15日号
会期:2016/06/22~2016/06/27
東京都美術館[東京都]
画家の三杉レンジから震災に関連した作品を都美に出すといわれ、「巨大ドキュメンタリー絵画 現代の千人仏」とメモっといたんだが、会場に行ってもそれらしい展覧会はやってないし、案内の人に聞いてもわからない。ひょっとしたら公募展のなかでやってるのかもしれないと思い、無料の公募展を片っ端から見ていくと、意外にも「表装・内装作品展」の奥のほうで発見。なるほど、見れば納得できなくもなかった。三杉のやってる千人仏プロジェクトは、東日本大震災の仮設住宅で暮らす被災者に木炭で仏画を描いてもらい、千枚になるまで続けるという計画。これまで4年間で約930枚に達し、それを縦18×横52に「表装」したものを展示しているのだ。だから「表装・内装作品展」なのね。でもよく見ると、仏画を描いてもらうといってもみんな同じ位置に同じ大きさで描いてあるので、簡単な下描きの上に描いてもらってるみたい。なかにはその下描きを無視したり塗りつぶしたりする反逆児もいて、なかなか楽しめた。
2016/06/22(水)(村田真)