artscapeレビュー
《内子座》ほか
2016年07月15日号
[愛媛県]
内子はきれいによく残された古い街並みだった。しかもあまり博物館化せず、生活の場として機能している。JIAの大会でも使われたという《内子座》へ。明治村に移築された呉服座や琴平の金丸座などと同じタイプの芝居小屋である。「なかなか遺産」に認定された映画館の旭館もいい味を出している。ここにも地元のコミュニティの核となる映画『ASAHIZA』のような映画館はあった。内子はかつて和ローソクで栄えた町であり、木蝋資料館・上芳我邸はベンガラ色の屋敷(2階は途中まで完成の不思議な空間)と従業員の炊事場や作業場、生産過程の展示などを見学できる。日建設計が修復を担当したらしい。襖の後に鉄骨を隠したり、黒色で存在感を消すなど、構造の補強を工夫している。
写真:左=上から、旭館、上芳我邸、内子座、大森和蝋燭屋 右=上から、上芳我邸、街並み、内子座、上芳我邸
2016/06/20(月)(五十嵐太郎)