artscapeレビュー
ポンピドゥー・センター傑作展 ─ピカソ、マティス、デュシャンからリクエストまで─
2016年07月15日号
会期:2016/06/11~2016/09/22
東京都美術館[東京都]
コレクションの対象となる1906年から開館の1977年まで、終戦の1945年をのぞいて、各年ごとに一作品を紹介する。日本の美術館とは異なり、建築やデザインの部門もあることから、当たり前のように建築のジャンルも入っているのだが、1923年の《オルリーの飛行船格納庫》の8分の建設映像が素晴らしい。確か『近代建築史図集』で覚えた建築だが、こんなに凄かったとは! アートはフランスを中心に組み立てたこともあり、アール・ブリュット系など知らない作家を学ぶことができた。展示のラストは、ゴードン・マッタ=クラークによる美術館建設に伴い、解体される建築に円をくり抜く作品からレンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースが設計したポンピドーセンターそのものへの流れだが、建築を説明するキャプションの文がよくない。これでは単に風変わりな建築としか伝わらない。
2016/06/15(水)(五十嵐太郎)
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