artscapeレビュー

太宰治資料展 Ⅱ

2016年07月15日号

会期:2016/06/11~2016/07/03

三鷹市美術ギャラリー[東京都]

太宰治には高校生のとき人並み以上にかぶれた。以来40年以上読み返したこともないけど、チラシに載ってる太宰の描いた絵を見て久しぶりに触れてみようと思った。展覧会は昨年に続くもので、太宰の妻子が慈しんだ津島家寄託資料を中心に、直筆原稿や初版本など約70点を展示。肝腎の絵は7点あり、風景画は黒田清輝の寂寥たる絶筆《梅林》によく似ている。驚いたのは自画像で、私事になるけれど、ぼくが高校生のときに構想した太宰の肖像画とそっくりなのだ。といっても構想だけで終わったけど、絵柄はいまだによく覚えている。それは太宰の斜め横顔を大きな筆遣いでざっくり描くというもの。背景の色とサイズは違ったが、イメージはそっくりそのままだった。この自画像は以前も以後も見た記憶がないので、偶然の一致なのか、それともそれが太宰の定番イメージなのか。

2016/06/24(金)(村田真)

artscapeレビュー /relation/e_00035899.json l 10125406

2016年07月15日号の
artscapeレビュー