artscapeレビュー

2017 宮本承司展

2017年06月01日号

会期:2017/04/15~2017/04/30

京都・アートゾーン神楽岡[京都府]

半透明の握り寿司という、衝撃的な作品で鮮烈なデビューを飾った木版画家・宮本承司(ほかには、果物、アイスキャンディ、かき氷なども)。個展やグループ展などの度に彼の作品を見てきたが、近年は東京での発表が多く、寂しい思いをしてきた。それだけに期待大で本展に臨んだ訳だが、宮本はその期待を軽々と超えてくれた。モチーフ単体の作品はもちろんだが、寿司ネタの数々やあがり(お茶)などの連作を木箱に納め、竹皮で包んだ《すし折》や、過去作のボツを切り抜いてコラージュした《輪廻その1》(画像)など、ユニークな作品が数多く見られたのだ。宮本の特徴は鋭利なまでにシャープな技術と感性だが、そこに木版画特有の柔らかみ、温かみが加わることにより、バランスの良い作品が生み出される。さらに本展では、旧作を再利用したコラージュという新たな展開が加わった。待った甲斐ありだ。

2017/04/25(火)(小吹隆文)

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