artscapeレビュー
フェルミン・バスケス《エンカンツ蚤の市》ほか
2017年06月01日号
[スペイン]
エンカンツの蚤の市へ。前に来たとき閉まっていたが、これは絶対に多くの人で賑わう開催日に見るべき空間だ。店舗を配したスロープがスパイラル状に続き、その上に高く大屋根を架ける。天井がランダムに傾く鏡面仕上げで、見上げると雑踏や周囲の風景が混ざり、ダイナミックさを増幅する。ある意味でこの乱暴さは、卒計に出てきそうな案だが、現実の建築ゆえに、周囲にはデザイン博物館、モネオの《ラウディトリ》、ボフィルの《カタルーニャ国立劇場》、エンカンツの蚤の市などの現代建築群が並び、それらとの相乗効果が起きている。
写真:左・右上=《エンカンツ蚤の市》 右下=《カタルーニャ国立劇場》
2017/04/01(土)(五十嵐太郎)