artscapeレビュー
2009年04月15日号のレビュー/プレビュー
平町公「大谷の図」
会期:2009/03/15~2009/03/30
上野の森美術館ギャラリー[東京都]
巨大な布地に今回は、大谷石の採石場跡をパノラミックに描き出している。そのチャレンジ精神と描写パワーは衰えていないようだが、なんとなくリアリズムの傾向が強まった気がする(幻想性が弱まったともいえる)。モチーフとなった大谷がもともと非現実的な光景だからかもしれないが。
2009/03/14(土)(村田真)
ワンダーシード2009
会期:2009/03/07~2009/03/29
トーキョーワンダーサイト渋谷[東京都]
若手アーティストの公募入選作品展示販売会。と書くと安っぽいが、昨年はほぼ完売という快挙をなしとげた。そりゃ異常ですよ。金融危機を経た今年はやはり昨年ほどではないけれど、それでもけっこう売れている。ぼく的には岸本幸三と工藤春香の作品に食指を動かされた。でも個人的にいつも金融危機なので買わないが。
2009/03/20(金)(村田真)
光の場──大庭大介
会期:2009/03/06~2009/04/04
magical, ARTROOM[東京都]
画面を正方形に分割したなかに、パール系の反射する絵具で螺旋を描いている。見る角度によって色も輝きも異なって見える。これは見事。でも図版にするとツライだろうなあとよけいな心配をする。そういえば京都造形の「戦争と芸術」展では同じくパール系の絵具による、しかし風景みたいな絵を見かけたなあと思ったら、同時開催のSCAIザ・バスハウスのほうに風景を出しているそうだ。見に行かなきゃ。
2009/03/21(土)(村田真)
三村昌道 展
会期:2009/03/23~2009/03/28
コバヤシ画廊[東京都]
ほとんどモノクロームに近い絵。抽象的だが、白い点とその影らしきものが描かれているので、塵が下降していく深海の光景かと思ったら、雪の夜だという。そう聞くと「なるほど」で終わってしまいかねないが。
2009/03/23(月)(村田真)
ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー展
会期:2009/02/24~2009/05/17
メゾンエルメス8階フォーラム[東京都]
40台のスピーカーが内側を向いて楕円状に並んでいる。なかに入るとルネサンス音楽の合唱曲が聞こえてくるのだが、40声が個別に録音されて各スピーカーから再生されるので、まるで合唱隊のなかを歩きまわっているような聞え方が体験できるのだ。ヴィジュアル的には退屈だけど、喧噪に満ちた銀座のど真ん中のブランドビル内で、こんなゼータクな体験が無料でできることがすばらしい。
2009/03/23(月)(村田真)