artscapeレビュー
BEAT TAKESHI KITANO──絵描き小僧展
2012年05月15日号
会期:2012/04/13~2012/09/02
東京オペラシティ アートギャラリー[東京都]
2年前、パリのカルティエ現代美術財団で開かれ人気を集めたビートたけし=北野武の個展の帰国展。「ペンキ屋のせがれ」というたけしのアウトサイダーアートを思わせる絵画のほか、金魚の魚体にカバの頭部をつなげた異種交配のオブジェ、倒れて破損する縄文土器、絞首刑で死なない方法の図解、自動的に描けるポロック絵画など、一瞬のひらめきを深く考えずに立体化したような一発芸的作品ばかり。反射神経と瞬発力に特化しているという意味でこれは、アウトサイダーアートというよりストリートアートに近い。チラシには「アートって特別なものじゃなく、型にはまらず、気取らず、みんながすっと入っていきやすい、気軽なものであるべきだと思う」というたけしの言葉があるが、そんな「気軽なもの」だったら美術館は必要ないだろう。たしかにストリートアートに美術館は必要ない。今度はぜひ路上でカマしてほしい。
2012/04/20(金)(村田真)
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