artscapeレビュー

311

2012年05月15日号

会期:2012/03/03

ユーロスペースほか[東京都ほか]

被災地に出向いた森達也らの映画『311』を見る。完成度の高い作品とは言い難いが、そもそも3.11のドキュメンタリーで成功するとは何なのか? いや面白くてよいのか? という問いを与えることに大きな意味をもつ。これがいわゆる普通の被災地のドキュメントではなく、取材者側自体のドキュメントであることは、放射線量にびくびくしながら行動する、とくに前半の福島エリアのドタバタがよく示していた。逆に後半は普通のドキュメントに近づき過ぎていたかもしれない。

2012/04/08(日)(五十嵐太郎)

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