artscapeレビュー
国立西洋美術館「ユベール・ロベール─時間の庭」展関連シンポジウム「時の作用と美学」2日目
2012年05月15日号
会期:2012/04/15
東京日仏学院 エスパス・イマージュ[東京都]
ユベール・ロベールの展覧会にあわせて開催されたシンポジウムである。ミュリエル・ラディック、稲賀繁美、北川フラム、宇野邦一の発表後、セッション2「建築と自然 新たなる対話へ」の司会を担当しつつ、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2008の温室をめぐって「建築と植物」についても発表した。隈研吾は東北地方にある自作について語り、パトリック・ブランはこれまでの作品の軌跡を紹介しながら、パワフルな発表を行なう。ブランの視点は植物学者らしく、完全に人間側ではないところが新鮮だった。地面に生えない植物はいっぱいあって、植物自体が高性能のアーキテクチャーなのだ、という。また建築VS植物の廃墟にならずとも、両者は共存できる。そして時間の尺度が壮大だった。数十年や数百年ではなく、もっと長い単位で世界を見ている。
2012/04/15(日)(五十嵐太郎)
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